ネットや色々な書籍を探っても殆ど情報の無いラジオです。発売時期は不明ですが、マレーシア製である事、99年の同社のラジオカタログではICF-が800番台からの物しかない事から、80年台終わりか90年台の初めでしょうか。its a Sonyのシールが貼ってあるのは80年台との話も有ります。価格は不明ですが、¥7000位かと。スピーカーは80mmのフェライト型、磁気回路は比較的強力、スピーカーエッジも柔らかそうなので音質には期待していましたが、確かにネットで2、3褒めてある様にとても良い音です。AM、FM共に感度も良い様です。旧態依然の蛍光灯の直下で聴いていますがノイズにも強い。以上がざっとしたこのモデルの概要ですが、小生が注目したのはこのデザイン。此方で扱うのは4台目。初めて手にした時は全く気づかなかったのですが、クリーニングを念入りにして磨きを全体にかけると非常に魅力的なデザインと感じます。不思議です。突起部分を出来るだけ減らし、スムーズな平面と曲面で構成されたこれまでのソニーには無い有機的な形です。磁器や漆器の様に表面の輝きを利用したものなので中古で輝きが曇ると全く魅力が無くなります。多分ネットに流れている物の多くは購入時には魅力的なデザインに惹かれたものの、時間が経って輝きが無くなって安売りされた物でしょう。惜しい気がします。写真でも実物の良さの半分位しか伝わりませんが、整備して磨いた後は見違える様な工芸品的な魅力があります。但し、今も昔もラジオをそんな風に捉えて買う人は居ないでしょうね。このラジオ何故は殆ど同じ仕様でICF-760と言う型番でも出されていて、音と感度の良さでラジオ好きの皆様には密かに隠れた名機?とも見られている様です。760の後継モデルが最近迄売られて居たICF-801で此方も手元に有りますが、確かに電源部と受信部分を別の基盤に分けている所、全体のレイアウト等は良く似ています。アクセサリも同一ですが、ネットでは何故か760のほうが音も感度も良いと言う評価です。この個体は割に綺麗ですが、ボリュームツマミに可成のキズが有り、美品とは言いません。価格は希少価値と美しいデザインを考慮した物。勿論機能は全て正常、電池とACコードはお付けします。